テックの力で不動産業界を変える!! iBuyerプラットフォーム『KAITRY』開発者の金子さんが目指す未来とは?
今回は株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)の金子さんに取材をしてきました。金子さんがなぜproperty technologiesへの入社を決めたのか、また開発のこだわりや今後の展望などをお聞きしてきました!
プロフィール
金子 健哉:西南学院大学卒。2016年、株式会社あつまる入社。CTOを務める。2021年2月から5か月間、業界や職種を超えた経験をするためフリーランスとなる。その後、株式会社property technologiesに入社。CTOに就任し、自社サービスやシステムの開発を行う。
社長の熱い想いに魅せられて…
ーー本日はよろしくお願いします!
はじめにproperty technologiesに入社のきっかけを教えてください。
金子:私は新卒で企業のマーケティング支援を行う会社に入社しました。そこでエンジニアとしてウェブサイトの制作や、集客プラットフォームの開発をしていました。ちなみに前職は脇田*と一緒だったんです。
*脇田向日葵さん:property technologiesで広報を担当。
「退屈よりも大失敗」マインド!難しい仕事も面白くなる、彼女の仕事のコツとは
ーー凄い偶然ですね!
金子:はい。その後「自分の力で仕事をしていきたい」という思いが強くなり、フリーランスになりました。主に企業のシステム開発を行い、水族館のシステム担当や専門学校の先生など、業界・職種を超えた業務を請け負いました。
ーーフリーランスも経験されていたのですね!
多様な仕事をされて、そこからどのようにproperty technologiesと出会ったのですか?
金子:前職時代から師匠として尊敬している方に呼ばれて行った先がproperty technologiesの本社だったんです。
ーーそうだったんですね!
金子:事前に深い話を聞かされず、ほぼいきなり面接という感じでしたね。当時フリーランスをやめて職に就こうとは思っていなかったので、パーカー・金髪で髭を生やしていました (笑)
ーー今では想像できないです (笑)
そんな状況でなぜproperty technologiesへの入社を決めたのですか?
金子:経営陣の想いを聞き、すごく魅力を感じて入社を決めました。
フリーランスだと一人の世界なので、できることの範囲が狭かったり、会社の外部からのため関わりが浅かったり、プロジェクトを主体的に進めることができません。property technologiesに入れば、チーム一丸となって大きなプロジェクトができ、会社・事業の成長と一緒に自分も成長していけるのではないかと思ったんです。
ーーとても素敵ですね!
ちなみに金子さんが魅力に感じた「経営陣の想い」とは?
金子:「不動産テックを牽引していく会社にしたい」「不動産業界の印象を変えていきたい」という強い想いでした。
現代社会のテクノロジーは急速に発展していますが、不動産業界はまだまだアナログで不透明な部分も多いんです。だからこそ今後、不動産とテックを掛け合わせて課題解決を行っていく必要があるんです。それに気が付いたproperty technologiesは、不動産業として20年間積み上げてきたものを活かして、テックの分野に舵を切っているんです。
ーー業界を本気で変えていこうというビジョンがあったのですね!
金子:そうですね!私自身も不動産業は、人の生活を支える衣食住の中の住に関わる重要な業界だと思っていましたし、社長の想いに惹かれて入社を決めました。
ーー金子さんもテック分野への転換の力になりたいとお考えになったのですね!
ーーとはいえ、テックへ移行していく段階であったproperty technologiesに、エンジニアとして飛び込んでいくことに不安は感じなかったのですか?
金子:正直とても怖かったです。当時エンジニアが少なく、営業の方々の中に一人で入っていく感覚でした。どうやって仕事をしていくのかイメージが鮮明な状態ではなくて、不安でしたね…。
ーーその不安はどのように解消されたのですか?
金子:社長の想いの本気度が伝わってきて、不安が払拭されました。社長の想いが組織に浸透していれば、営業の方々からの協力も得られると思いました。社長が本気でテックを活用していく変革を考えられていたので、「大丈夫だ」と確信を持つことができ、飛び込むことができましたね!
ーー社長の本気さに背中を押されたのですね!
不動産買取に革命が起きた!?
ーー次に金子さんの現在の業務内容を教えてください。
金子:大きく分けて3つあります。
1つ目が、AI査定搭載のプラットフォームである「KAITRY*」の運営です。KAITRYは、不動産買取を弊社が直接的に行うto C向けのサービスです。
これまでは、仲介会社を通してお客様からマンションを買い取ってリノベーションを施し、仲介会社を通して販売するという買取再販を行ってきました。KAITRY*では、弊社が過去培ってきた不動産ビッグデータを活用し、即座にマンション価格を算出するAI査定と、お客様から直接買い取る仕組みによって、マンションを売りたいお客様はすぐに売却・現金化できるというものです。
販売の面でも、弊社のリノベーション物件をKAITRY*で見て選べるようになっています。
ーーなるほど!
金子:一般的な住み替えでは売却まで2年以上かかってしまうこともありますが、KAITRY*だと最短3日で現金化することができます。
ーー2年と3日では全然違いますね!!
金子:そうですね。またAI査定は、例えば何階の部屋か、何平米かなど少ない項目を入力するだけで5秒ほどで査定価格が表示されます。膨大な物件のデータのもと査定されるので、客観的で正確な結果を出すことができます。
ーーすぐに金額が分かるのはとてもありがたいですね。
金子:住み替え先の物件探しもイメージしやすくなると思います。
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※KAITRY(カイトリー)の詳細はこちら↓
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000083148.html
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金子:2つ目が、先ほどのAI査定をto Bに向けたサービスの運営です。
仲介会社をはじめ金融機関や士業など、実は不動産の価値を知りたい事業者の方はたくさんいるんです。例えば不動産相続の時などに正確な価格を知らなければ相続手続きがスムーズに進みません。そのような方々に向けたサービスを展開しています。
ーー仲介会社や金融機関、士業などにも需要があるのですね!
金子:そうなんです。
そして3つ目は、社内のDXです。
例えば1つの情報を入力すると複数の部分に展開されるようにするなど、テックの力を使って社内のあらゆる業務を効率化しています。
ーー金子さんのお仕事は様々な方の力になっているのですね!
KAITRY開発の裏側を大公開!!
ーーKAITRY開発のこだわりを聞きたいです。
金子:データドリブン*な開発を心がけていますね。
※データドリブン:データに基づいて判断・アクションすること。
ーー詳しく聞きたいです!
金子:人の感覚はそれぞれ違いますよね。その感覚で開発してしまうと、どれがいいか分からなくなるし、正解がないと思います。エンジニアの意見とマーケターの意見がぶつかることもあります。だからこそ、数字で測っていくことを大事にしています。フォーム一つひとつに関してもABテスト*を実施し数字で判断して、ユーザーの意見として捉えながら開発しています。
※ABテスト:従来あるものと新しく開発したものを比較して、施策の良否を判断するインターネットマーケティングで多く行われる手法。
ーー個人的な感覚は取り入れないのですね!
金子:時には私も「こっちでしょ!」って思うこともありますけどね(笑)
でも、感覚に従うとトップダウンになりやすくなってしまうと思います。経験やこだわりを踏まえてしまうと偏りが出て、メンバーも仮説や意見を言いづらくなると思うんです。
ーーなるほど。
金子:なので、データを基に開発をすることがボトムアップにも繋がると思います。みんなが仮説や意見を言えますし、ABテストを実施して結果が違ったとしても、そのデータが蓄積されます。仮説やABテストをどんどん出して、みんなでより良いものにしていくという想いで開発しています。
ーーちなみに数字はどういう集め方があるのですか?
金子:GoogleアナリティクスやGoogleデータポータルという分析ツールを使ったり、社内で実際にアンケートを取ったりもします。
ーーそうなんですね!
様々なデータに基づいて開発していることが分かりました!
お客様の声がやりがいに。
ーーこれらの開発や運営を行っていく中で大変だったことや苦労したことはありますか?
金子:WBS(ワールドビジネスサテライト)という経済ニュース番組でKAITRYを紹介していただいたときに、サーバーが落ちてしまったことですね。サイト上に想定以上のアクセスが集まってしまって…。
ーー想定外のトラブルですね!
金子:急いで復旧させたのですが、AI査定でもエラーが起きてしまっていたので、深夜まで対応が必要でした。サーバーを復旧させたり、AI査定のプログラムを修復したり、査定を返せていないお客様に後から査定を送ったり・・・・、今思うといい経験ですが、対応時はてんやわんやで本当に大変でしたね。
ーーとても大変そう…
金子:でも、そこで多くのニーズがあることを改めて実感したんです。なので苦労した反面、嬉しさもありました。
ーー確かに大きな反響があるのは嬉しいですよね!
金子:そうですね。実際、契約や決済のタイミングに立ち会うこともあるのですが、そこで感謝や満足のお声をいただけるのは本当に嬉しいですし、やりがいに繋がっていますね。
ーーサービスが多くのお客様の役に立っているのですね!
ーーちなみに、金子さんが感謝を伝えたい方はいますか?
金子:社長はもちろんですが、営業本部長や各支店長にいつも感謝しています。
ーー詳しく聞きたいです!
金子:自分はシステム開発やマーケティングが得意分野ですが、お客様との関わりを直接持つ営業の部分は見えない世界がたくさんあるんです。
金子:営業の方がお客様の不安を払拭してくださるおかげで、満足度が高く、評価されていると思います。お客様にサービスを提供するには幅広い知識が必要ですし、親身に寄り添っている姿を見ると、営業のみなさんはプロだと感じますね。とても尊敬しています。
ーー素敵な関係性ですね!
金子:自分もテックの分野に関しては任せてもらっているので、お互いに信頼関係を築けています!
不動産の不透明な部分を透明に!
ーーproperty technologiesでの目標と、金子さん自身の目標を聞かせてください!
金子:property technologiesでは、不動産の不透明な部分を透明化したり、効率化したり、シンプルに分かりやすくしていきたいです。まずは、「住み替えを、もっと気軽に。もっと楽しく。」ということを浸透させていくために、KAITRYを多くの方に知ってもらい、利用してほしいです。
住み替えの分野を改善できたら、また別の業界課題に対して、サービスを開発、展開していきたいです。
ーーKAITRYが広まることでどのような社会が作られていくと思いますか?
金子:日本全国住みたいところに住めるようになって、人生の選択の自由が広がると思いますね。住も衣・食と同じくらい、気軽で自由さがある状態にしていきたいです。
ーー不動産業界が進化することによって作られる未来が楽しみです!
金子:チームでの目標でいうと、『ONE PIECE*』のような組織を作っていきたいです。
フリーランスから入社した理由にもつながるのですが、大きなことを成し遂げたいのであればチーム作りが重要だと思ったんです。
※ONE PIECE:尾田栄一郎による日本の少年漫画作品。
ーーONE PIECEにはどんな魅力が?
金子:ONE PIECEって一人ひとりがものすごく強いじゃないですか。みんなプロでそれぞれの持ち場で戦っていて、みんなが信頼して背中を任せている状態だと感じるんです。そういうチームって本当に強いんだろうなって思います。なおかつ、ONE PIECEのいいところは想像したときに笑顔のイメージがあると思うんです。みんなキャラクター性がバラバラだけど共通の軸を持っていて、戦うときは真剣だけど普段はすごい笑っている。こんな組織を目指したいし、そんな仲間に囲まれたいなと思います。
ーーとても素敵な目標ですね!
自分に正直でいることを大切にしてほしい!
ーー最後に学生に一言、メッセージをお願いします!
金子:自分に嘘をつかないことはすごく大事だと思います。私は社長に「忖度するな」ということを一番最初にお叱りうけたんです。自分の意見をしっかり言うということですね。理由や内容がどうであれ、まずは真っ直ぐであることが一番大事だと思います。
ーーすごく刺さります…!
金子:また、スキル至上主義になりすぎないことも大切だと思います。もちろんスキルを磨くことも重要ですが、その努力の過程の中で感じることや、考え方の方が大切だと思います。そこを意識してこれから過ごしてほしいと思いますね!
ーー勉強になります!このメッセージが多くの学生に届いてほしいと思います!
本日の取材は以上となります。ありがとうございました!
株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)
事業概要:
「リアル(住まい)×テクノロジー」を通じて、中古住宅再生を中心とした住宅市場を活性化することを目指しています。
将来も安定的な需要拡大が予想される、中古住宅のリノベーション市場。コロナ禍においては、リモートワークなど住宅への意識も大きく変わってきた影響もあり、ニーズが増加しています。当社グループはさらに成長拡大していきます。
事業内容:
・KAITRY AI査定搭載プラットフォーム
中古住宅の買取、リノベーション済中古住宅・戸建住宅の販売を行っています。
独自のAI査定モデルを使用することで、不動産売買に関わる多くのステークホルダーの様々なニーズに応え、不動産の売り手・買い手、不動産のプロである不動産仲介会社・一般顧客の情報をプラットフォームに集積し、その売買を拡大していくことで、中古住宅再生市場を活性化させていきます。
VISION:
「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来を創造する
今まで多くの人にとって一生に一度の最も高価な買い物であると言われてきた住宅を、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変える、そういう存在に変えることで人々の様々な可能性を広げていきたい、という想いに基づいています。
インタビュアー:奈良美咲
ライター:奈良美咲