成長のきっかけになる出会いを増やす!!~学生同士が受け入れ合える環境作り~
今回は株式会社しるべ代表取締役の高橋さんに取材をしてまいりました。高橋さんのこれまでの経験や、学生に向けた想いに迫ります!
プロフィール
高橋 紀如(たかはしもとゆき)さん
29歳で独立し広告代理店を創業。5年で年商17億円になりその後売却。人材、医療、物流、システム開発、不動産など多業種の会社をゼロ→イチで立ち上げる。
その後、株式会社しるべを引き継ぎ、学生団体「SHIRUBE」を立ち上げる。現在代表取締役として学生たちの活動の支援を行っている。
〇〇にコントロールされる日々
ーー本日はよろしくお願いいたします!
まず、学生団体SHIRUBEを立ち上げるまでの経緯を教えてください。
高橋:僕はもともと2005年、29歳の時に独立して広告代理店を立ち上げました。そしてその会社を7年くらい経って売却したんです。この頃、色々な会社をゼロから作って上手くいかない会社はたたんで、いい形に仕上がった会社は売却をしていました。売却するための会社を作るということを目指して、ひたすらそれを繰り返していたんです。
ーー会社の立ち上げをされていたんですね!
そもそもなぜ独立をされたんですか?
高橋:「自分が周りの人たちから対等に接してもらえるような、価値のある人間になりたい」という想いがあったからです。
ーー詳しくお聞きしたいです!
高橋:僕はそれまでの経験から、自分の中で「自分に価値があれば多くの人が自分を認めてくれる」という方程式ができていました。この考え方によって良い経験をしたり、助かったりしたことが何度もあったんです。
ーーそうなんですね!
高橋:しかしその後、次第に苦しい思いをするようになるんです…
僕はいつの間にか「人に認めてもらえるような価値があるかないか」という他人軸のもので自分の人生をコントロールしていたんです。例えば、「売上ナンバーワンの営業マンが価値がある」、「サラリーマンよりも社長の方が価値があるんじゃないか」といったように「価値価値価値価値…」という感じでしたね。
ーー確かに他人軸に振り回される人生は苦しそうです…
高橋:結局は自分の価値を自分で信じられていないから、外付けの価値を求めてしまうんです。例えば、「年商いくらの会社を経営しています」「社員が何人います」「収入どのくらいあります」などのような感じです。自分を着飾るための数字を欲する生き方を、社会人になってからしていたんです。
ーーなるほど。
高橋:会社を売却する際も、大きな会社を売却すると自分に価値がなくなるんです。それで先ほどの方程式通りに、「新しい価値をつくらなきゃ」と考え、新しい会社をたくさん立ち上げてその会社をどんどん大きくしていくんです。
ーーなぜ大きくした会社を売却してしまうのですか?
高橋:そこにも一つ大きな理由があって、自分が痛みを受けないようにしていたんです。
ーー痛みを受けないように…ですか?
高橋:はい。会社を大きくすればするほど、当たり前ですがそれだけ会社を辞める人もいるんですね。その退社理由が私や会社でなくても、そのように受け取ってしまう自分がいたんです。「自分にもっと価値があればこの人たちはいなくならなかったはず…。」そう思い込んでしまうんです。なので、人が離れていくことが耐えられないくらいの痛みでした。
高橋:そこで会社がすごく大きくなる前に自分から手放すことで、無意識的に痛みを受けずに済むようにしていたんです。
ーーそういうことだったんですね…
高橋:そうして売却したらまた自分の価値が下がるから新しい会社を作る、名刺に代表取締役と多く書いてあるとそれが自分の価値、とそんな感覚で生活していました。
高橋:そんな中、「なぜこんな苦しい生き方をしているのか。もっと意義のある生き方をしたい。」と、何となくモヤモヤした気持ちを抱くようになっていきました。
ーー自分の生き方に疑問を感じるようになったのですね。
胸に突き刺さった師匠からの言葉とは?
高橋:しかし、ちょうど40歳の時、あることをきっかけに人生観が大きく変わったんです。
ーー何があったのですか??
高橋:僕の師匠のような方からお説教を頂いたんです。「人生の後半戦に入っていこうとしているのに、人生の前半戦と後半戦でそもそもルールが違うことを理解していない。」と言われました。
ーールールですか?
ぜひ詳しくお聞かせください!
高橋:子どもの頃は好き嫌いせずに食べたり、友達と仲良くしたら褒められますよね。でも中学や高校ではどのくらい勉強ができるか、部活でどのくらい活躍したかというように、人生が進むにつれ徐々に褒められるポイントが変わっていきます。
高橋:それでも社会人になって昔のルールのまま生きようとする人がいます。それは、その時にすごく褒められたという強烈な体験が残っていて、昔のルールにすがってしまうからなんです。
ーーなるほど。
高橋:人生の前半ではどのくらいのことができるのか、成果を出せるのかが求められますが、後半はどう社会に貢献するのかが求められます。前半は自分に矢印を向けていていいのですが、後半はそれまでで得たものを周りのために使っていくんです。
ーー周りに還元していくのですね!
高橋:はい。その方に「高橋君は会社を作ったり売却できたりしてすごい。でも、その力を使ってあなたは周りをどうやって幸せにしていくんですか?」と言われました。この時、ずっとモヤモヤしていたところに「ズドーン!」と刺されたような感じがしました。
ーーとても大きな衝撃だったのですね。
高橋:このことをきっかけに残りの命を何に使うか、悩みました。その結果、学生に何か提供したいと思い、学生団体SHIRUBEをゼロから立ち上げました。
ーー師匠の言葉がきっかけだったのですね!
自分を大きく変えてくれた存在
ーー学生団体SHIRUBEを立ち上げた背景をお聞きしたいです。
高橋:これは僕の学生時代の経験が関係しています。僕は実は高校生の時引きこもりだったんです。中高はコミュニケーションがとても苦手で友達もほとんどいませんでした。先生もクラスメイトも基本的に僕の言動を無視して、僕がもらえる最大のリアクションは苦笑いだったんです。
ーーそれはひどいですね…
高橋:それで本当に自信がなくなってしまったんです…
でも、大学生になって運良く友達が2人できたんですよ。しかも彼らは、僕からしたら信じられないくらいイケている人たちでした。クラスのど真ん中にいるような人たちです。
ーーすごいですね!
高橋:彼らは僕のことを対等に接してくれたんです。それが嬉しくて嬉しくて、「みんなが対等に接するのにふさわしい自分になりたい」と思うようになったんです。
ーーこの経験からその想いが生まれたのですね!
高橋:はい。この時から行動が変わっていきました。大学内で活躍するようになり、社会人になってもとにかく活躍をする、価値を見せていくという行動をとるようになったんです。そして独立もしました。これらは全部、自分のことを対等に接してくれる友人ができたことから始まったんです。
ーーとても素敵ですね…!
高橋:この経験を思い出した時、学生団体のコンセプトもここだと思いました。学生で自信がないという人は多いんです。とにかく努力をする、結果を出すなど、自信のつけ方は色々あると思います。でも僕の場合、対等に接してくれる人がいることが自信回復につながったので、学生がお互いに受け入れ合って、応援し合える環境を作ろうと思いました。
ーーご自身の経験が反映されていたのですね!
いつも今が一番楽しいんです!
ーー学生団体SHIRUBEについて教えてください。
高橋:今OBOG含め、約2700名の学生が登録しています。今月も新規で100人くらい増えました。
ーー多くの方がいらっしゃいますね!
その方々はどのようなことをしているのですか?
高橋:団体の活動は主に2軸あります。1つ目は、経済産業省が出している「社会人基礎力」を育むためのワークショップです。ワークショップは、昔は50種類ほどあり、毎週開催していました。ですが、今は11種類のワークショップを不定期で開催しています。
ーー様々なワークショップがあるのですね!
高橋:そして2つ目は、リーダークラスです。ワークショップに参加してくれる人の中には、「一緒に運営をしたい!」と言ってくれる人たちがいるんです。その人たちのために、運営の手伝いをしながら、リーダーシップやチームビルディングを学べる場を作りました。前は13週間でやっていましたが、今は9週間に圧縮した研修になっています。
ーーリーダーシップを学べるのはすごそうです…!
高橋:さらにこの2つに加えて、今新たに「Withtalk」*という事業に挑戦しています。「Withtalk」は学生向けの1on1マッチングサイトです。5年前くらいに、団体が大きくなってきてお互いに知らないという人がたくさんいたんです。そこで、知らない人同士で1対1で話すというカリキュラムを作りました。それを1on1と名付けました。
※Withtalkのサイトはこちら!
ーー1on1はよく聞く言葉です!私もやったことあります!
高橋:よくSNSでも「1on1募集!」のような書き込みを見ますよね。新型コロナウイルスでオンラインが普及したことをきっかけに、団体外の人とも積極的に1on1をしてつながるようにしたんです。
ーーそうだったんですね。
高橋:そして、実はこの1on1をしている人ほど、その後大きく成長している傾向があったんです。多くの人と話して様々な世界を知ることは、自分を知ることにもつながります。なので、成長するためにとにかく1on1をしてほしいと思っていたのですが…知らない人に自分から声をかけることって、なかなか勇気がいることだと思ったんです。
ーー確かに初対面の人に声をかけることは勇気がいりますね…
高橋:そこでWithtalkを立ち上げて、1on1の申請をワンクリックでできるようにしました。それによって初対面の人とでも1on1をしやすい環境を作ったんです。これが今私たちが挑戦している取り組みです。
ーーこれらの活動を行う中で壁にぶつかったことはありますか?
高橋:基本的には計画通り上手くいってたと思います。コロナの時も早い段階で対策ができたので特に苦労しませんでした。とはいえ壁も色々あったと思いますが、僕はどちらかというと未来ばかり見てるタイプなんです。
ーーとても前向きですね!
わくわくや楽しい感情の方が大きかったのですか?
高橋:そうですね。今でも本当にワクワクしているし楽しいです。いつも言うから信憑性ないと思われるかもしれないのですが、僕はいつも今が一番楽しいと思っています。
ー-すごく素敵なことですね!
成長のきっかけになる出会いを増やす!
ーー今後の目標をお聞きしたいです!
高橋:学生の成長のきっかけになる出会いを増やしていきたいです。学生って変化しやすく成長しやすい時期だと思います。なので、その時期に様々な出会いを経験することで世界観が広がり自己理解が深まると思います。1on1に限らず色々な物事や人との出会いを作っていきたいです!
ーー学生への想いがあふれていますね!
高橋:そのためにまず、Withtalkを発展させたいです。今はまだ3700人くらいしか会員がいないので、10万人、20万人と増やしていかなきゃなと思います。
ーーこれから多くの出会いが生まれるのが楽しみですね!
私も自分の世界を広げて自己理解を深めていきたいと思いました!
本日の取材はこれで以上です。ありがとうございました!
事業概要:
株式会社しるべは、実践的なインターン・プロジェクト運営を通して学生の「自分の未来を自分で創る力」を伸ばす人材育成会社である。
「やりたい」と「仲間」を繋ぐコミュニティ、「SHIRUBE」の運営を行う。
事業内容:
1.学生のキャリア支援事業 ・講座運営
(ワークショップ、エキスパートコース、しるべ塾、経営戦略室、等)
2.企業の採用支援事業
(協賛スポンサー ・マッチングイベント ・新卒紹介支援 ・採用コンサルティング ・人事代行)
3.企業のプロモーション支援事業 ・Web制作
4.学生団体の運営・支援事業
MISSION:
世の中をワクワクさせるかっこいい大人を増やす
インタビュアー:奈良美咲
ライター:奈良美咲