企業紹介 2022.10.10

HEROZ株式会社の小林武文(こばやしたけふみ)さんに取材をしてまいりました。
小林さんはこれまで様々な職種や会社で実績をあげられ、現在はHEROZで採用と広報を担当しています。
そんな小林さんのこれまでのキャリアを振り返り、小林さんが大切にされている『選択』するうえでの考え方に迫ります。

プロフィール

小林武文(こばやし たけふみ)
日本大学生産工学部建築工学科卒業。
これまでの3社でWebサイト制作、営業、新規事業リーダー、マーケティングなど様々な業務を担当し、現在はHEROZ株式会社にて採用・広報の業務を担う。

新しいモノを作って世の中に影響を与える人になりたい。

本日はよろしくお願いします。始めに現在までの経歴を教えてください!

経験した順番から挙げると、Webサイト制作、営業、新規事業のマネージャー、マーケティング、カスタマーサクセスをやっていました。
今振り返っても色々なことに挑戦していたなって思います。

確かに色々なことに挑戦されていますね!仕事を選ぶ際はどのような考え方で選んでいらっしゃったのですか?

新しいモノや仕組みを作って、作ったもので多くの人に影響を与えたいと考えていました。

そのように考えるきっかけがありましたら教えてください。

大学時代の経験が大きかったと思っています。
大学時代は建築学科ということもあり、建築業界に進もうと思っていたのですが、建築家の方のアトリエにインターンとして参加するうちに「なんか違う」という違和感に気が付いたんです。

それはどういった違和感だったのですか?

自分ってモノ作りは好きなんですけど、建物だけが好きってことではなかったんです。

なるほど。

そこからもっと「建築という業界に固執しなくても、モノ作りや仕組み作りはできる。」と考え、建築業界よりも、もっとスピーディーにモノづくりや仕組み作りができる業界を探していくようになりました。

学生時代の経験がきっかけになっているのですね!そこから様々な仕事に挑戦されて行かれると思うのですが、それぞれのキャリアの中で『印象に残っていること』『職種を変える経緯』をお伺いしたいです!

まずは新卒で入社したWeb制作の会社ですね。
モノ作りという点でWeb制作はマッチしていましたし、建築業界よりも変化のスピードがはやく、世の中に与えるインパクトが大きいと思い入社を決めました。

確かにそうですね!

ただ、淡々と社内にこもってWeb制作をしていたかったんですけど、仕事をしていく中で「人と話すのが得意そうだからお客さんのところに行ってこい」ってなったんです。

え、それは急ですね…!
いわゆる常駐型のSES*みたいな働き方になったということですか?

※SES(システムエンジニアリングサービス)とはソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種で、特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約

はい、僕の意志は全く考慮されずに決定しまして、そこから様々な会社に行ってWeb制作をしていました。今振り返ると良かったこともあるのですが、当時は嫌で嫌で仕方なかったですね。

そうだったんですね…。

当時業界で旬だったWebサイト分析の資格をとったことを機に「Webサイトのコンサルタントになろう!」と思って入社6年目に転職しました。

良いですね!
転職されていかがでしたか?

コンサルタントになれると思って入った会社だったのですが、「新規事業なのでまだ仕事がない。自分でとってきてほしい」とのことでした。

結果が出ない日々。小林が『捨てたモノ』とは?

ということはコンサルではなく、実際は営業されたんですね!

そうなんですよ。しかも社会人6年目で初めての営業でした。
その中で、なにがしんどいかって、自分よりも年下の子たちの方が結果をどんどん出していくんです。
「年上で社会人経験も長い自分の方が何でできないんだろう」って考えると本当に辛かったですね。

確かにいろんな感情が相まって、想像するだけでも辛いです。
その状況はどのように乗り越えたんですか?

早いうちにプライドを捨てて、年下の仲間に色々と聞きにいくことにしました。
わからないことをたくさん聞きましたし、「改善点を教えてほしいから営業についてきてくれない?」「参考にしたいから営業についていってもいい?」って感じで積極的にコミュニケーションを取るようにしました。

素晴らしいです。
とはいえ、プライドを捨てることはなかなか難しいことだと思うのですが…

目の前のことができないっていうことと早くできるようになりたいっていう想いしか頭になかったんですよ。

だから「意地張ってる場合じゃない」って考えてましたね。

そこで割り切れるのはカッコイイです!

あとは社内の環境が良くて、いち人間として、僕に対して凄く関心を持って接してくれる会社だったんですよ。
だから、聞きに行きやすかったっていうのもあります。

小林さんのプライドを捨てて成果を出しに行く姿勢と社内の環境が状況を変える要因になったのですね!

マーケティングとの出会い

そんなこんなで、営業というものがある程度できるようになって、新規事業のリーダーを任されるようになるんです。

そうなんですね!
その新規事業はどんな内容だったのですか?

簡単にいうと世の中のマーケターを対象にしたビジネスマッチング事業でした。

その新規事業に取り組む中で印象に残っていることはありますか?

様々な業界でマーケターであったり商品企画をされる方との出会いが多くありました。

そこで初めてマーケティングってめっちゃ面白いんだなってことに気が付きました。
「マーケティングってそんなところから考えてるのか!」とか「あの広告やCMはこうやってできてたんだ!」みたいな感動の連続でしたね。

確かに、大ヒット商品を生み出すような思考に触れられたら感動しますね!

彼らの仕事に対する考え方や一つの商品に対する思いの強さ、仕事のレベルの高さに触れた経験は今の自分のキャリアにも影響を与えていますね。

感じたものは「ゾクゾク」ではなく「安心感」だった

マーケティングという仕事に感銘を受けられた小林さんが、なぜ採用担当という仕事をするに至ったのか、その経緯をお伺いしたいです!

まず、先ほどお話をしていた新規事業をやむなく撤退することになったんですね。
そこで「転職をするか、仕事を続けるか?」という選択の中で、自分は転職を選びました。

そうだったんですね。

そこから転職サイトに登録をして、次の仕事を探していたんです。
そしたら、転職サイトを運営している会社から「マーケティング業務にチャレンジしてみませんか?」って連絡がきたんです。

すごい偶然ですね!

本当に偶然だったのですが、いずれ自分もマーケティングという仕事がしたいと思っていたので、その誘いを受けることにしました。

実際、どんな仕事をされたのですか?

メインで行ったのはイベントに関するBtoBマーケティングでした。数十名規模のセミナーから、ウェビナー、全国の展示会出展、何百人規模で開催するカンファレンスのプロジェクトマネジメントなど、イベントと名の付くものは一通りやっていました。

重要なポジションで大規模なプロジェクトに関わられたんですね!
どういった経緯でプロジェクトを任されたのですか?

ある日突然マーケティング部の部長から呼ばれまして「過去にやったことないイベントやりたいんだよね。予算3000万円あるから、後はよろしく」という感じで。

ええー!そんな軽い感じでビックプロジェクトを任されたんですか!?

震えましたね(笑)
そういったチャンスがポンッと来る会社だったので「任されたからには期待に答えるしかない」と思って必死にやりました。

…考えられないです(笑)
結果はどうだったのですか?

結果的に、カンファレンスにはおよそ800人の方に参加していただいて、任された責務は全うできました。

素晴らしいですね!
そこで、さらにマーケティングにどっぷりハマったという感じですか?

いえ。当時を振り返ると楽しむというよりは、とにかく必死で、期待に答える・責務を全うする。ということに精一杯でマーケティングを楽しむ余裕はありませんでした。

イベント開催当日も800人の前で喋る社長の姿を見て「やってやったぞ!」っていうゾクゾクするような感覚よりも「無事開催できた…」という安心感や解放感の方が強かったです。

そうだったんですね…。

そこで、ゾクゾクするような感覚を持てていたら今もマーケティングを続けていたと思います。

ただ、今になって考えると、あの時培った定量的な成果を追い求めるマーケティングの考え方はどんな業務にも生かせるので、とてもいい経験になったと思っています!

すさまじい経験をされてきたんですね…!
こういった経験の中で、興味がマーケティングから人事へと移っていったのですか?

そうですね。カンファレンスの開催という出来事が一つの区切りでした。

もう一度人とかかわる仕事をしたい!

カンファレンスの開催後はしばらくして、同じ会社内のカスタマーサクセスという部署に移動させてもらいました。

それはなぜですか?

コロナの影響もあって、大規模なイベントも少なくなって、デジタルマーケティングの業務が中心になっていったんです。

そのなかで、数字が上がった・下がったっていうのを毎日追っていたんですけど、自分のやっていることで喜んでくれる人がいるのか?何か人のためになることができているのか?わからなくなる瞬間があったんです。

なるほど。冒頭でおっしゃられていた「人に影響を与えたい」という小林さんの思いにはマッチしていないような気がします。

はい。そこで自分の仕事を考え直したときに「もう一度、人と接する仕事で自分の力を発揮したい」と考え、カスタマーサクセス*の仕事をすることに決めました。

※カスタマーサクセス(CS)とは顧客が製品・サービスを使うことで成功し、望ましい結果を達成することを支援すること。

いろいろなご経験をされて、最終的に人とかかわる仕事に戻ってくるんですね!

そうですね。もっと言うと人材系の会社だったので、カスタマーサクセスの仕事では企業の採用担当の方と接する機会が多かったんです。

本気で採用担当の方とかかわっていくうちに「人に影響を与える」という意味でもカスタマーサクセスから人事の仕事を自分でやりたくなっていったんですよね。

おおー!
カスタマーサクセスでの経験が採用担当という仕事をやるきっかけになったのですね!

『自分の仕事を通して会社を変える』その想いがHEROZに

様々な経験を経て、ついに採用担当という仕事に触れるわけですが、小林さんがどのような経緯でHEROZの人事になったのか、きっかけをお伺いしたいです!

実はカスタマーサクセスをやっていた際、HEROZがお客様企業のうちの一社だったんですよね。

そうだったんですね!
お客様であるHEROZへの入社を決めた要因は何だったのですか?

これまで色々な会社で色々な職種にチャレンジしてきたんですけど、次は「自分の仕事を通じて会社を変える」ことをしたかったんです。HEROZは当時50人規模の会社だったので、役員の方とも距離が近いと思いましたし、今後絶対伸びていくAIを武器にしていたのも魅力に感じました。

自分のやりたいことに合った会社がHEROZだったんですね!

でも、正直迷いがあったんですよね。
HEROZの人事部長から「一緒にやらないか」って何度も誘われて、僕自身も「一緒に働きたい」と思っていたんですけど、前職の仕事もすごく好きだったので…。

確かにすごく迷いますね…。
その中で小林さんを突き動かしたものって何だったんですか?

「リスクをとってでも挑戦したい」という気持ちです。カスタマーサクセスをしていた会社は規模も大きかったですし、事業も安定して成長していました。一方HEROZはまだまだ発展途上で挑戦だらけの会社だったんです。

その2択を迫られたときに「挑戦を通じて自分をもっと高めていきたい!」と思いHEROZを選びました。

挑戦したい気持ちが小林さんを突き動かしたんですね!

数々の職種を経験した小林が語る採用の魅力とは!?

様々な職種に本気で取り組んできた小林さんに、現在取り組んでいる採用という仕事の魅力をお伺いしてみたいです!

「自らの行動で人に出会える」ことだと思います。
人事は人を採用するためにスカウトメールを送ったり、求人票を出したり、色々な施策を戦略立てて行っていくんですが、自分が思考錯誤を重ねて取り組んだことを通して出会えた人って物凄く感慨深いんです。

確かにすごく素敵な出会いですよね。

出会えただけで嬉しいのですが、出会った方が実際に会社の仲間として加わった時はもっと嬉しいですね。

本当にそうですね!私も自分が声をかけた人が入社する瞬間は熱い気持ちになります!
ちなみに、これまで培ってきたマーケティングの力が生かされる瞬間はありますか?

あります。採用っていうのは、数字を追いかける仕事なんですね。

そうなんですね!

例えば、1人採用するのに、何人に声かけて、何%の通過率で選考が進んでいくのか?ではそれを追いかけるためにはそれくらいの母集団が必要なのか?そういった定量的な目標や計画を立てるところはマーケティングの経験が生かされていますね。

なるほど!小林さんのこれまでの経験が生かされますね!

そうですね。僕みたいな経歴の人事はあまりいないので、そういった視点で考えて採用ができるところを「面白いね」って評価してもらえますね。

たくさんの経験をされてきた小林さんだからこその武器ですね!!

『偶然の出会い』を大切に。

小林さんはこれまで色々な職種や会社で働かれてきましたが、『選択』するうえで大切にされてきたことを教えてください。

『偶然の出会い』を大切にして、それをチャンスに変えることを考えてきました。

『偶然の出会い』ですか?

仕事を通しての人との出会いや人と話す機会を大切にしていて、例えばマーケティング職を目指したものプロのマーケターの方と一緒に仕事をする機会を通してマーケティングの奥深さに惹かれて自分がやってみたいと思いました。

そうですね!

他にも自分が登録した転職サイトを運営している会社からのスカウトから入社を決めたり、今のHEROZとの出会いも偶然だったと思います。

これまでのお話をお聞きしてきて、小林さんは本当に偶然の出会いやきっかけを大切にされてきたんだなと感じます!

自分のキャリアは『偶然の出会い』によって作られたなと思っています。出会いだけじゃなくて仕事をするうえでも大変なことなど色々なことが起こるんですけど、そういった出来事を楽しみながら常に良い方向に持っていけたらいいなと考えています。

説得力があります!

「AIの会社といえばHEROZ」と呼ばれる未来を作りたい。

では、最後に小林さんの今後の目標をお伺いしてもいいですか?

30代の目標としては「AIの会社といえばHEROZだよね!」って言われるくらい会社を大きくしたいですね!
そのために人事としてマーケティングのスキルを活かして様々な採用領域に挑戦していき、広報としてはどんどん会社の発信をして会社のファンを増やしていきたいですね。

小林さんの力でHEROZがより大きくなる未来が楽しみです!
ちなみに40代以降の目標は決めていないんですか?

そこはあえて決めてないですね。決めてしまうと偶然の出会いが無くなってしまう気がして。その時に考えて一番楽しめる目標を考えられたらいいなと思います。

今後も「偶然の出会い」を大切にされていくんですね!
最後にこの記事の読者にメッセージをお願いします!

AIの社会実装に興味がある社会人の方や学生の方、ぜひお気軽に連絡をください。一緒に国内No.1のAI企業をつくりましょう!

メッセージありがとうございます。
本日は取材にご協力くださりありがとうございました!


HEROEZ株式会社

 

事業概要:
HEROEZ株式会社は、「将棋ウォーズ」、「CHESS HEROZ」、「BackgammonAce」の開発を通じて蓄積した機械学習等のAI関連の手法を固有のコア技術とし、現役将棋プロ棋士に勝利した将棋AIの開発者などトップエンジニアをはじめとするAIエンジニアが日々開発に取り組んでおります。また、一般社団法人 日本ディープラーニング協会の正会員、及び一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員、AIについて最先端の動向を把握するなど、AIを戦略的な重点分野と位置づけております。
当社のAIは頭脳ゲームだけではなく、大手金融機関等でも導入されるなど、様々な業界で活用されています。

■AI B to B事業
・HEROZ Kishin
HEROZ Kishin AI技術を活用した、各種時系列データの傾向分析・未来予測に基づく自動監視・異常検知ツール。
https://kishin-monitor.heroz.jp/doc/features.html

■AI B to C事業
 将棋ウォーズ
【日本将棋連盟公認】の日本最大の将棋ゲームアプリ!
史上初、プロ棋士に勝利の人工知能(AI)ponanzaによるアドバイス(棋神)で強い相手にも勝てる!
従来の将棋アプリの常識を覆すド派手な演出!超初心者から上級者まですぐに適切な相手が見つかる充実のオンライン対局!使った囲いや戦法など、羽生善治永世名人をはじめとした棋士カードコレクションも200種類以上を搭載!
https://shogiwars.heroz.jp/?_fsi=i9Holu9u

・棋神アナリティクス
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同時解析できる、プロフェッショナル向け将棋AI解析サービスです。
第32回世界コンピュータ将棋選手権で優勝した「dlshogi with HEROZ」を提供します。

※dlshogiの最新モデルが利用できるのは本サービスのみ。
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・どうぶつしょうぎウォーズ
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企業理念:
世界を驚かすサービスを創出する

VISION:
AI革命を起こし、未来を創っていく

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インタビュアー: 服部 未佳(キャリツク)
ライター:小林 隼太(キャリツク)