企業紹介 2023.05.16

日本最大級のセミナー情報サイト創設者が語る

『幸せに働く』ために必要な思考とは?

 

ラーニングエッジ株式会社の清水康一朗(しみず こういちろう)様に取材をしてまいりました!清水様の熱い思いや、現在の清水様を形成した過去の話、理想の世界などをお聞きしてきました!

 

プロフィール

清水康一朗(しみず こういちろう)様

慶應義塾大学理工学部卒業後、人材業界のベンチャー企業に入社。
2000年、外資系コンサルティング会社に入社。
2003年、ラーニングエッジ株式会社を設立。
業界最大のポータルサイト「セミナーズ」を立ち上げ、教育の流通に努めている。
日本でナンバーワンのビジネスセミナー登録数実績、主に世界トップクラスの講師による外国人のビジネスセミナーのイベント規模において最大規模の実績を持つ。

 

「働く幸せ」を世界中の人に届けるために

ーー本日はよろしくお願いいたします!
まず、プラットフォーム事業の「セミナーズ*」を始められた経緯をお伺いしたいです。

 

※セミナーズ:日本最大級のビジネスセミナー情報サイト。経営者、起業家のための世界トップレベル、本物、本質的なセミナーが満載。

 

清水:私は前職の上司が外国人だったこともあり、売り上げを最重視する欧米的な経営理論を教え込まれていたんです。幸せな働き方や労働環境がまだ意識されていない時代でした。

しかし私が30代の頃に欧米的な経済合理性が日本に広まり、何のために働くのかなど自分探しのようなものが流行った時期があったんです。

 

ーー前の時代に反発するような形で、自分の心に目を向けるような文化が流行りだしたんですね。

 

清水:私は仕事を寝ないでやっても楽しいタイプでしたが、現場のメンバーを見ると幸せに働けていない様子でした。この時、「働く幸せ」がとても大事だと感じたんです。

昔から歴史や哲学が好きで、「どうすれば働く幸せを実現できるか」とずっと探求していました。そんな中、日本にも素晴らしい組織論や生き方の英知があることを知り、これを多くの人に届けたいと思ったんです。

特に影響力が高い経営者たちの意識が変われば、世界に働く幸せを届けられると思い、経営者や起業家に本物、本質的な学びの機会を届けるプラットフォーム「セミナーズ」を開始しました。

 

ーーそういった背景があったんですね!

 

清水:また、2000年頃にインターネットが世界中で注目されるようになったことも学びのポータルサイトを作ろうと思ったきっかけにあります。

 

ーー時代の風潮をサービスにつなげたのですね!
清水様は何が働く幸せにつながるとお考えですか?

 

清水:働く幸せを構成する要素は3つあります。

1つ目は、大前提として人と心の絆ができていることです。お互いに支え合えている状態ですね。
2つ目は、経済的な豊かさがあることです。
そして3つ目は、心の豊かさがあることです。仕事のやりがいや幸せを感じることですね。
この3つによって働く幸せが実現されると思います。

 

ーーどれも生きる上でも大切なことですね

 

偉人たちからの刺激が日々の原動力に

ーー先ほど、歴史や哲学がお好きとおっしゃっていましたが、清水様は歴史や哲学にいつ頃から興味を持ったんでしょうか?

 

清水:小学生の頃から歴史ものは読んでいて、吉川英治や司馬遼太郎などの本を読んでいました。

 

ーーそうなんですね!
別の記事で小学生時代はやんちゃだったと書いてありすごくギャップを感じるのですが、何かきっかけがあったのですか?

 

清水:父が読書が好きだったんです。なのでいつも父が本を読んでいる姿を見て、影響を受けたんだと思います。

 

ーーやんちゃな一面もありつつ、お父様の影響を受けて読書をされていたんですね。
そのように色々な考え方を取り入れていく魅力は何だと思われますか?

 

清水偉人たちから受けた刺激が自分の原動力になるんです。幼少期から好奇心旺盛だったこともありますが、自分のモデルを本の中から探していました。「劉備玄徳*と曹操孟徳*を足して2で割ったような人間になりたい」とかよく分からないことを言っていましたね(笑)

 

※劉備玄徳(りゅうび げんとく):中国後漢末期から三国時代の武将、蜀漢の初代皇帝。人望によって、関羽や張飛などの優秀な人材が集まってきた。

※曹操孟徳(そうそう もうとく):後漢末期の武将、政治家。詩人や兵法家としても業績を残す。後漢の魏王で、魏の基礎を作った。

 

ーー最強の将来像ですね(笑)

 

清水:渋沢栄一や鮎川義介、二宮尊徳のような生き方をしたいとか、その時々思うんです。そのたびに、今でも「自分まだまだだな」って勇気をもらいます。

 

ーー偉人たちから日々刺激を受けていらっしゃるのですね!

 

清水:それに最近イギリスの首相が就任した時に、よく会う経営者仲間が「俺より若くて一国の首相になってるよ。俺何やってんだよ。」って言ったんです。でもその感覚がすごくわかるんです。そのような基準を幼少期から持てていたことは良かったと思います。

 

ーーその高い基準も清水様の原動力になっているのですね。

 

清水:仕事柄、Appleを作ったスティーブ・ウォズニアックや、YouTubeを作ったチャド・ハーリーともお話をさせてもらっています。そこで感じるのは、「彼らも同じ人間なんだ」ということです。なので、自分も世界への働きかけができるよう、より頑張りたいって思います。

 

ーー一流のビジネスマンと仕事をしていく上で、どのようなことを意識されていますか?

 

清水:自然体で話すことを意識しています。もちろん相手のことをしっかりと調べ、敬意をもって接しています。その上で、相手が居心地が良いと思えるような付き合い方をしようと常に思っています。

 

ーー「また話したい」と思ってもらえるような接し方が大事ですね!

 

「相手によいことをする」ただこれだけ。

ーー次に「絆徳経営*」という経営方針が生まれた背景をお聞きしたいです。

 

※絆徳経営:「相手によいことをするから、ずっと一緒にいられる関係」を目指し、「理念」と「経済合理性」を両立させる経営方針のこと。

 

清水:哲学的な話にはなるのですが、我々の価値判断は基本的に4つの中から行われています。1つ目がギリシャ哲学、2つ目がキリスト教やイスラム教など神との関わりに対する思想体系、3つ目が仏教やヒンドゥー教などのインド的な考え方、4つ目が組織論の中国思想です。これらの思想全てに共通して言えることは、『人との関係性』なんです。これこそが社会が求めているものであり、これさえ明確になれば金銭面で困ることはなくなります。

 

ーー詳しく聞かせてください…!

 

清水:例えば、会社はお客様との関係性がよければ対価として経済的な豊かさを得られます。職場の人間関係がよければ、働く幸せも得られます。家族との関係性がよければ、家庭で幸せな生活も送れます。

このように、人との関係性は人が生きていく上でのベースになります。

 

清水:そして、良好な関係性を築くためには、「相手によいことをする」ただこれだけです。このことが世界中に広がり、世界の繋ぎ目になればいいなと思っています。とてもシンプルなことですが、経営や人間科学においても効果は絶大だと思っています。

 

ーー代表的な4つの思想で重視されている人との関係性に着目し、経営に取り入れられたのですね!
ではこの「絆徳」という言葉はどのような由来でつけられたのでしょうか?

 

清水:元々は「絆」や「道徳」を重視し「モラルエンゲージメント」と言っていました。ですが、海外の論文を読んだ時、「モラル」と日本の「道徳」の概念がやや異なっていたんです。なので英語では訳せない概念も含めて表現するために、日本語で「絆徳」という言葉を作りました。

 

ーーこの新しい考え方、言葉が世界に浸透していってほしいですね!
絆徳経営を社内にはどのように反映させていらっしゃいますか?

 

清水:社員に行ってもらっていることが3つあります。

1つ目は、絆徳経営の3日間のセミナーの受講です。
2つ目は、毎月行われるフィロソフィー研修*への参加です。理念が実務とどう結びついているのか、働く幸せを実感してもらうための知恵を学ぶ時間になっています。

*フィロソフィー研修:社員が月ごとに決められたテーマについて講義をする。どのように実行するか意見を出し合い、理念への理解を深める。

3つ目は、月刊致知という人間力を高めるための雑誌の読書会です。この雑誌には多様な分野の一流の方たちが、どのような苦労や努力をしてきたのかが書かれており、社員は感想文を書いてそれをシェアします。

このように人間としての成長を得られる機会を多くつくることが、本質的な幹部育成にも繋がると思います。

 

ーー素晴らしいですね!ラーニングエッジでは人間として大きく成長できる貴重な経験ができると思いました!

 

ピラミッド型からダイヤ型の社会に

ーー絆徳経営を世界に広めることで、どのような世界を作っていきたいですか?

 

清水ピラミッド型からダイヤ型になる社会構造の世界を作っていきたいです。格差を小さくするために、トップ層の人たちが苦しんでいる人に雇用と教育をもたらし、その方法を伝えていくことで豊かに稼げる人が増えていく社会構造を作りたいですね。単なる概念的な話ではなく、実践的な活動になると思っています。

 

ーーとても素敵な世界ですね!
トップ層の人々をどのように巻き込んでいくかは、何か考えがございますか?

 

清水:人に雇用と教育をもたらすことは、経済合理性があることをしっかり伝えたいです。教育や雇用をして社会がよくなることで、経済が回り、結果的にトップ層の人々も幸せになれるということですね。

 

ーーきちんと社会に価値を提供していくことで、結果として利益が上がるのですね!

 

清水:端的に言うと、絆徳経営は理念と利益を両立させる経営なんです。理念だけが走ると低賃金で我慢しろということになってしまうので、利益も出すことが大事ですね。

 

ーー働く幸せにも繋がっていきますね!ここまで、沢山のお話をいただきありがとうございました!
最後に読者へメッセージをお願いします!

 

清水:今の世代の学生はコロナ禍でリアルな接触が少なく、不利だと感じている方もいるかもしれません。しかし、バーチャルな空間でのコミュニケーションスキルがあることは大きな利点になります。なので、ぜひ自信をもって活躍してほしいと思います。

それに学生のうちに読書と遊ぶことは絶対にしておいた方がいいと思います。時間がないと思うかもしれませんが、社会に出た後に比べたらよほど時間があるので、ぜひ海外など行ったことがないところに行ってみてください!

 

ーー環境を言い訳にせず、これからも学生生活を前向きに、有意義に過ごしていきたいと思います!
本日は貴重なお話ありがとうございました!

 


ラーニングエッジ株式会社

事業概要

ラーニングエッジ株式会社は教育を通じて、事業成長のサポートをしています。
世界ナンバーワンの教育の流通会社を目指し、道徳的な価値あるコンテンツを必要な人々に届けて、この世界をより良い場所にしていきます。

 

事業内容

・ビジネススクール事業
・会員事業
・プラットフォーム事業

・海外事業
・教材販売
・法人研修

 

経営理念

全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、
教育を通じた社会の成長発展に貢献します

 


インタビュアー:伊藤香輝
ライター:奈良美咲